2020/01/09

憧れのズームマイクロニッコール(前編)

「ズームマイクロニッコール」。
なんとも不思議なその響きの名前を初めて知ったのはニコンイメージング公式Webサイト内、ニッコール千夜一夜物語 第十八夜ででした。

 おそらくはオールドレンズ沼にどっぷり首まで浸かってる時期、Nikkor-S Auto 50mm F1.4の情報を探してインターネッツの海をさまよっているとき、偶然ニッコール千夜一夜物語にたどり着いて、第一回から順繰りに読んでいるうちに読んだのだろうと思いますが、粒ぞろいの千夜一夜登場レンズのなかでも、とくに印象に残ったレンズのひとつがこのズームマイクロニッコールでした。

とはいえ学生だった当時はおいそれと手が出せるレンズではなく、それ以上にAPS-C機だけしか持ってなかった当時は105-270mm相当という焦点距離は長すぎるうえ中途半端すぎ、「面白そうなレンズだなあ」とは思いながらも完全スルー。そのままずっと購入候補には上がってこなかったのです。

……が。

昨年夏に、D500のサブ機としてD800Eを導入したあたりから急に状況が変わってきました。
 (通常であれば「D850に統合しろや」ってなるところですが、そのあたりの事情をかいつまんで説明すると、
・仕事で2台持ちが必須となる事態が稀によくある、つまり連射と高感度、画素数すべて兼ね備えたカメラであるところのD850 1台に統合することができない
・サブとしては D7000系最新機種であるD7500が最有力候補だが、この機種はD500と同一のセンサーで、それ以外の各部が1ランク下、という完全下位互換のためわざわざ高いコストをかけて導入する魅力に欠ける
という、私の環境ならではの事情があったりします。閑話休題。)


現在の主な被写体はプラモデルで、小さなものですから、その撮影には当然近接撮影に強いレンズが必要になってきます。
昨年夏まではD500が主力、バックアップがD7000というAPS-C機2台体制だったのでレンズは完全共用、ディストーションや色収差が低く抑えられ解像度も高いAi AF Micro-Nikkor 60mm F2.8Dと、全域で最短撮影距離22cmという短さとズームならではの機動力を兼ね備えたSigma 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMという2本あれば模型撮影にはなんの支障もありませんでした。

ところがD800Eはフルサイズセンサーのカメラです。
もちろんそれに合わせて新たに近接撮影に強いレンズ、TAMRON SP AF28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACROも導入しました。しかし模型撮影ではパースがほとんど消えた状態、つまり35mm換算90mm相当の画角が必要となることも多く、望遠側75mmではやや短すぎます。

D800Eの画素数があれば、引いて撮るかAPS-Cクロップを使えば同じようなパース感での撮影でもまったく支障がないといえば支障がないのですが、D500とD800Eの画素ピッチはほぼ同じ、つまりAPS-Cクロップすると画素数は≒になり、D800Eのメリットが活かせません。

さりとて90mmマクロレンズを導入すると、画素数で殴るカメラD800Eに押され、D500+60mmの登場機会は減ってしまうでしょう。汎用カメラであるD500と、高画素のD800E。それぞれの魅力を活かすため、そしてまた無駄金使ってる気分にならないよう、レンズもできるだけ用途が違うものが選びたかったのです。


そこで白羽の矢がたったのがズームマイクロニッコールでした。


28-75mmから先の望遠を担える絶妙な焦点距離。

マイクロレンズを名乗るだけのことはある、1:3.2〜1:1.32という近接性能、描写性能。
等倍不可のため、D500+60mmと比べるとあまり寄れないことによる棲み分け。
そこはかとなく漂う変態感。

まさに、いま探している用途にピッタリのレンズでした。(後編へ

1 件のコメント:

  1. 後編へ→あ探しのページは存在しません!うっかり!

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