2017/02/03

KAJIKA 1/700 大日本帝国海軍 超弩級巡洋戦艦「金剛」1914 パーツレビュー

丸々2年間も放置してきたブログですが、どうしてもパーツ状態写真をアーカイブしておきたいキットがあらわれたので、再開することとなりました。

まあここから続くかどうかと言われるとどうなんでしょうね。また2年くらい放置しそうな気もしますが。



というわけでさっそくご紹介していきましょう。




DATA:
日本海軍 超弩級巡洋戦艦 金剛 1914年 [AA]
1/700 KAJIKA
定価税別3900円



日本海軍初の超弩級戦艦である「金剛」竣工直後の姿を立体化。
英国ヴィッカース社で建造され、竣工したのが1913年ということですから、1914年というのはほんとうに初期の初期の姿となりますね。

なにげにこの姿でのプラモデル化ははじめてだったりします。
レジンキットならŘOP o.s. Samek Modelsの1913年時がありますが。

というか意外と竣工時の姿でプラモデルになった日本戦艦って少ないんですねー
一般的なのは大戦中に竣工した大和型くらいですか。

さて、メーカーのKAJIKAは中国、フライホーク(鷹翔模型)のサブブランドだという情報があります。
とはいえ調べたかぎりそれを裏付ける情報は見当たらず。
パーツ自体はたしかにすっごくフライホークっぽい(かつ中国製)のですが。


それではパーツを見ていく…前に前提となるキット情報。
細部写真ばっかり撮ってて全体を撮り忘れたのですが、
キット仕様としてはウォーターライン(喫水線)模型仕様のみ。
海外キットではフルハル仕様も多いのでちょっと珍しいかも。
見るからにウォーターラインシリーズリスペクトな金属製オモリも付属しています。

またキットそのものは先述のオモリ以外すべてインジェクションプラスチックパーツという仕様。
となると気になるのはマストの細さとかだったりしますが……まあそれはのちほど。

船体は左右一体成型。スライド金型を使用して舷側モールドもばっちり…ってのはもう最近じゃお約束。
窓のひさしや装甲板の継ぎ目の段差とかもモールドされていてブラボー。

おなじく船体パーツ、副砲まわりはこんなカンジ。
なお金剛は大規模改装の結果艦尾を大幅に延長したり副砲撤去してたりするのでこの船体パーツ流用して後期金剛発売、は実質無理だったりします。
ボートダビットまわりのパーツ
とんでもなく細いんですよこれが!
ナノ・ドレッドなみ(言いすぎ?)でこの大きさのランナーに配置してるって歩留まり悪そうでメーカーの人も苦労したろうなぁ、などと思ったり。

これはたぶん高角砲? 砲塔上面に装備されてたりもするんで機銃かと錯覚しますが、竣工直後だと対空機銃はありませんわな。
長短2種類あるっぽい?

煙突はスライド金型でガツーンと一体成型。
こんだけシャープに抜けてるとかなり存在感があります。
ふたつ前の写真右端に写ってるファンネルキャップをここにひょいっと乗せて完成、なんですが、そのまんまだとかなりツツヌケ感あふれますが、実艦の写真みてるとそもそもツツヌケ感ある構造なのでわりと忠実。

艦にくわしくないので何のパーツかさっぱりわかりません。なんすかねこれ。
でもとにかくすんげーディテールです。左端の錨と見比べてください。
1/350と思ってるかもしれませんけどこれ1/700ですからね? 念のため。
このキットのいちばん気が狂ってるポイントといってもいいかもしれないパーツ群。
真ん中の大量の棒は船体側面につける防雷網展張竿です。
防雷網とは側面に展開される網で、そこに触れた魚雷を爆発させて船体への被害を防ぐためのもの。
超大きな抵抗になって速度大幅低下&魚雷が網突っ切るくらい高性能化によりすぐ廃れました。

ともかくこれって1/700だと船体に一体成型されがちだったり真ちゅう線によるディテールアップが模型誌で頻繁に行なわれたりしがちな部分ですが、下手すりゃ0.3mm真ちゅう線より細いくらい+ディテール入りでヘタに置き換えると死にそうです。
とはいえいくらゲートが細いとはいえ切り出し&整形だけでも死にそうですが。

あと余談ですが左上、ランナータグにKAJIKAマーク掘り込んであるのがかわいい。

周囲を取り囲むランナーがないのが新鮮なパーツ郡。
多方向スライド金型使うならこういうパーツ状態ってのもアリなんですなー。
なお開封時はこういったこまごましたパーツのみで小袋に入れられていたので破損もしづらくて安心。

主砲塔。なにこのディテール密度。
側面のラッタルとかエッチングパーツでいいじゃんという気もしますがちゃーんとモールド、かつ天面にはリベットまで!
これまでの1/700金剛型砲塔でいちばん精密といっても過言じゃないでしょう。

副砲の砲郭ですらスライド一発抜き。再現度への執念がうかがえます。

こんだけやってりゃもうアタリマエというかなんというか、主砲の砲口もちゃんと穴あき。
そのうしろにずらっと見える副砲はさすがに省略されてますが。
というか副砲は砲郭も砲身もゲート処理にそこまで気をつかわなくても大丈夫なようにゲートが配置されてます。クレバー。



ボート類も手を抜かない精密っぷり。
一昔前はこんな解像度は別売りディテールアップパーツの出番だったもんですが。


一方で甲板上は意外とざっくり。
個人的にはリールくらい別パーツにしてほしかったんですが。
あと錨鎖はちょっと実感に乏しいので、金属製パーツに置き換えたいところ。
それを見越してるんでしょう、錨鎖ディテールはほかのディテールにかぶらない中途半端な位置で切れてます。


甲板中部
ううっ、マスキング大変そう……。

箱の中にボール紙のそっけない箱が入ってるんですが、開けてみると中にはマストまわりのパーツが入ってます。

ランナーから上下に飛び出た棒を支えにしてマストを保護してたんですね。
こりゃまたとんでもなく細いな!
モールドとの兼ね合いなんでしょうがマストを縦に抜くという発想はなかった…。
これもまた金型の中で折れてそうでメーカーが苦労しそうな。



KAJIKAという名前なんで魚の鰍モチーフなんでしょうが実際のところデフォルメしすぎてなんの魚かわからんようになってるロゴマークがなんだか癒し系。
説明書のあちこちに登場します。かわいい。


といったカンジでお送りしてまいりました。
もうどのパーツを見ても繊細&繊細&シャープ&繊細。

表面の状態もキレイでヒジョーに形状が見やすいもの。
久しぶりに「パーツ見るだけで酒が飲めるキット」でした。

いやナニ言ってんだとお思いでしょうが実際なにかをこじらせた一部のモデラーはパーツ見ながら酒飲めます。
ウソだと思うなら一度試してみてください。新たな扉が開いてしまっても責任は負いかねますが。

そうそう、このキット別売ディテールアップパーツも充実してます。

まずは手すりの追加や一部台座を置きかえるエッチングパーツの
日本海軍 超弩級巡洋戦艦 金剛 1914年 フォトエッチング(定価税別4500円) [AA]

つぎはこっちも定番ディテールアップパーツ、金属挽き物の砲身
(副砲の数が多いから副砲のほうが高いんすなー)
日本海軍 超弩級巡洋戦艦 金剛 1914年 36cm砲金属砲身(定価税別1900円)[AA]
日本海軍 超弩級巡洋戦艦 金剛 1914年 15cm砲金属砲身(定価税別2200円)[AA]

よくある木甲板シートなんてのもあります。たぶん薄い木材をレーザーカットして裏にノリつけたもの。
お手軽ですが剥がれやすいのでしっかり接着されるよう対応を要一考。
日本海軍 超弩級巡洋戦艦 金剛 1914年 デッキシート(定価税別4100円)[AA]

木甲板塗装派向けに専用マスキングシートも。ユーザーニーズが分かれることをよくわかってらっしゃる……。
日本海軍 超弩級巡洋戦艦 金剛 1914年 マスキングシート(定価税別1900円)[AA]

 専用リギング…専用? ドイツのウッシ社製ということでたぶん数百倍によく伸びる素材のやつですね。
マスト細すぎるんでリギングのテンションに負けて曲がってしまわないか心配ですが。
日本海軍 超弩級巡洋戦艦 金剛 1914年 リギング[AA]

完成後に置きたくなるアクリルプレート製ネームスタンド。
くり返し言いますが本当にニーズをよくわかってらっしゃる……。

日本海軍 超弩級巡洋戦艦 金剛 1914年 ネームプレート[AA]


最後になりましたが、パーツ写真は横1800px、フルHDの画面でおおむね画面いっぱいに表示できるくらいサイズでアップロードしているので、できれば拡大してご覧くださいましまし。

さて、作るのはいつになるでしょうかね?