2013/12/14

ウクライナからの刺客(1)

ウクライナ・アーセナル国営工場製のニコンFマウント互換カメラ、Kiev 19Mを手に入れました
Kiev 19のマイナーチェンジ、Aiによる開放測光に対応したモデルです

生産時期はおそらく1980年代後半から1990年前半頃まで
メイドインウクライナ表記だったので多分ソビエト崩壊後でしょう ソビエトカメラ特有の製造年入り製造番号でもありませんでした

外見はF-301あたりにどことなく似ています
プラ外装を触った感じもちょっと近いかもしれないです こっちの方がよっぽどペラいですが
発売時期もほぼ同じはず…なんですが機能的には大きな隔たりが
そもそも電子仕掛け満載のF-301とちがってこっちは機械式…

あとその赤いライン絶対ニコン意識してるよね?よね?

なぜかシャッターダイヤルは前面側に存在
シャッター機構の都合かはたまた軍艦部に載せるスペースがなかったのか…
ちなみにかなり時代が新しいのでシャッタースピードいじってから巻き上げても壊れません
やったね!最速1/500だけど!使えねぇ!

マウント部
大雑把にみるとニコン製と大してかわりがないくらい完成度が高いように見えますが、大きな問題が

こっちはニコン(コシナ製ですが)のFE10のマウント部
画像が暗いのでわかりにくいですが、比べてもらうと「絞り込みレバーが異様に長い、そしてヒョロい」のがわかります

このせいで、一部ニッコールレンズと干渉を起こし、レンズが填まらない、もしくは填まったら取り外せない というとんでもない悪癖が
あとヒョロいせいでなんか曲がってます
前のオーナーが無理矢理付け外ししようとしたのでしょうか

あとレバーが長すぎるせいで、レンズを装着せずに絞り込みレバーを操作してみると、ファインダー内に影がうつります
F1.2レンズとかだとレンズのガラスに干渉するんでは…

それから、随分新しいカメラにも関わらずマイナスねじを使ってるのも特徴ですね

シャッター
東側縦走りメタルフォーカルプレーンらしいものすごい幕が厚そうな印象
油染み&サビがあるのも東側っぽくてすばらしい
実用には全く向きませんが

裏蓋開閉は巻き戻しノブ引き上げ、フィルムカウンターは開閉での自動復元式、まあなんて高性能!

ペンタ部にはホットシュー、そして更にユーザーにやさしいシンクロターミナルも標準搭載!
まあなんて気遣いの出来る子なのかしら!東側製とは思えない!

ちなみに巻き上げレバーはおよそ180度回転させないと巻き上げできない素敵仕様、もちろん小刻み巻き上げなんてものはついてません


その他、ISO感度設定はISO25~ISO3200までの1/3段刻みや、Zenitとは違い一般的な底面に存在する巻き戻しボタン、露出計は4LR44動作で良心的(動作未確認 そういえば最近100均、Seriaで4個100円のLR44が売り出されはじめましたね)、等々、あきらかに西側カメラを意識し、それにせまるべく開発された野心がうかがえるのですが、
いかんせん、1980年代後半以降の製造で最高シャッタースピードが1/500の機械式というのは橋にも棒にもかからない性能と言わざるをえません

あとひたすら重いです この中に何が詰まってるの、と言いたくなるくらいに…
もいっちょ、各部がめちゃくちゃ安っぽいプラスチックなのも印象悪いです
更に、この個体はシャッター周りのパーツが一個欠落していて、シャッターボタンがぐらぐらです 残念

実用性は全くない…というか怖くてレンズ付けるのすらためらわれるカメラですが、まあかっこいいしいいんじゃないかな!

[AA] 1/700 ウォーターライン No.704 ロシア海軍空母 キエフ

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